20代高卒フリーターが転職に成功するまで
高校卒業後、アルバイトのみで生計を立ててきたけれど、そろそろ就職しようとお考えの20代の方へ
- フリーターの生涯年収と社会保障
- 就職に向けた準備
- 20代フリーター就職への道
目次
フリーターと正社員の生涯年収の格差
こんなに違う、生涯年収の差
一般的に正社員の生涯年収は2〜3億円と言われており、対するフリーターは
定年まで働いた場合、得られる収入にはかなりの差が開いてしまうようです。
男性 正 規:1億7,801万2,400円
非正規: 9,815万2,400円
女性 正 規:1億3,052万8,400円
非正規: 7,692万7,800円
(平成27年賃金構造基本統計調査の23〜59歳を加算算出)
労働時間で考えると
フリーター:平均約 6時間/1日
正 社 員:平均約8.9時間/1日
となります。
実働時間に多少の違いがありますが、それを考慮しても収入には圧倒的な差があります。
また昇給やボーナス額によっても収入の差は変化するため、年齢が上がるごとに年収の差に開きが出てきます。
社会保障の面でもフリーターは不利
収入の差よりも社会保障に対する差の方が将来的に大きく影響してくるかもしれません。
国民年金と厚生年金
20代フリーターであれば「国民年金」を毎月支払っているはずです。
国民年金
支払金額は月額16,490円(平成30年度現在)で、最低25年以上支払い期間が必要です。支払いが不十分であれば将来一銭も支払いを受けることができないので注意が必要です。
20歳から60歳まで40年間支払いをすると、支払い合計金額は
となります。(国民年金の支払額は変動するので実際はこれより高くなる)
65歳から老齢年金(国民年金の受給)を受け取るとすると
年間779,300円。(平成30年度)
毎月64,941円の受給ができます。
厚生年金
企業に正規雇用されると「厚生年金」を支払うこととなります。
厚生年金の支払いは受け取り給与や賞与の18,182%(平成28年)の半分を従業員が、もう半分を企業側が支払うことになります。
年収400万円の場合
月額では30,303円になるので、国民年金(第一被保険者)の人よりは支払金額が大きくなります。
ただし半分を企業が負担してくれますし、当然のことながら受給時の金額もかなり多くなります。
また配偶者がいて被扶養配偶者に該当する場合、配偶者の方の年金の支払いは必要なくなり国民年金(第一被保険者)の人と同じ額の老齢年金を受け取ることができるのでかなり厚生年金はお得です。
40年間厚生年金保険料の支払いをした場合、
単身でも月額平均15万円以上、
夫婦で妻が専業主婦をしていた場合では月額平均が20万円を超える受給額になります。
つまり、国民年金(第一被保険者)だけの人の2倍以上の老齢年金を受け取ることができます。
このように定年退職後の老後にもらえる年金額は、約3倍の差がある上に、現役時代に払う額は「厚生年金」のほうが少ないこともあります。払う額は多いのにもらえる額は少ないという状況になります。
その他の“お金”について考えてみよう
マイホームやマイカーを購入する際には“ローン”を組むと思いますが、そのときにも正社員とフリーターでは信用の差がありますので許可が下りるまでの時間に差があることもあります。
このように、収入や保証に差がありますので、まずはしっかりと違いを理解し、その上で自分にはどちらの働き方が合っているのか考えてみると良いでしょう。自分の理想のライフプランには、どれくらいお金があれば実現できるのか逆算して考えてみるのも良いかもしれません。
また、もしも働けなくなったら、という万が一の場合も考えておくと安心です。
フリーターから正社員になることの難しさ
新卒者が優先される日本
日本の就職市場は基本的に新卒を中心に形成されています。
大手企業を中心に学校を卒業してすぐの新卒者を採用して、一から育てていくという方針を持っている企業が多いです。
新卒という真っさらな状況から人材を育てることができれば、企業への忠誠心も強くなると考えられています。
こうした新卒至上主義で採用が行われている就職市場では、就職せずに卒業したり、フリーターになった方は新卒者よりも軽視される傾向にあります。フリーターとして働いている方の中には「フリーターの就職活動は難しい」という考えに固執してしまい、積極的に就職活動を行えなくなっている方も多いようです。
だからといってフリーターが新卒者よりも評価が低すぎて採用に至らない、ということは決してないのでご安心ください。
若さは大きな武器
新卒採用が中心の日本では少し不利にな部分もありますが、フリーターを採用したいと考えている企業も多く存在します。大手企業であっても、転職サイトの求人情報の中には「営業職」を中心に学歴や職務経験を問わない求人も多く掲載されています。
中小企業の場合では、年齢の若いフリーターを積極的に採用したいと考えている企業は多く存在します。
フリーターの就職活動が難しいことは確かですが、すべての採用枠がないというわけではないので、しっかりと情報収集を行い、希望する企業があれば積極的に挑戦してみましょう。
就職を目指す20代フリーターがすべき準備
基本的なビジネスマナー
正社員として働く場合、フリーターよりも社会人としての責任を強く意識しなくてはいけません。
そのため基本的なビジネスマナーは知っておくべきでしょう。
正しい言葉遣い
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があり、相手によって使い分けなくてはいけません。
あまり堅苦しかったりへりくだりすぎると相手に不快感を与えてしまうこともあるので注意が必要です。
誤:すみません
正:申し訳ありません、恐れ入ります
誤:わかりました、了解しました
正:かしこまりました、承りました
誤:ご苦労様です
正:お疲れ様です
人:自称「わたくし」「自分」
他称「◯◯様」「あなた様」
会社:自称「弊社」「当社」「小社」「私ども」
他称「御社」「貴社」
名刺交換
ビジネスの場では自己紹介の際に名刺交換を行うことが多々あります。
2、名刺を交換する際は、相手より下に差し出して謙虚さを示す
3、名刺は両手で出して両手で受け取るのが基本
交換する場合は、右手で出して左手で受け取る
いつ名刺が必要になるかはわからないので名刺は常に一定数準備しておくことを心がけましょう。またヨレヨレの名刺を渡すのは非常に失礼なためきちんと管理しておくことが大切です。
電話対応
電話にでるときは「社名」「所属部署」「名前」を伝えましょう。
「お電話ありがとうございます。◯◯会社、◯◯課、◯◯と申します。」
電話がかかってきた場合には3コール以内に出ることが望ましいです。
3コールを過ぎてしまった場合は「大変お待たせいたしました」と前置きしましょう。
ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)
ビジネスにおいて「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」は大切な心がけとなります。
任された仕事の現状を説明し伝える
内容は簡潔に結論から経緯や意見の順で話す
必要があれば指示を仰ぐ
【連絡】
業務進行の遅れやトラブルなどは早急に連絡する
予定を確認したり、社内の情報共有も重要な連絡事項
【相談】
疑問点や自分では判断が難しいことは相談するべき
自己判断で仕事を進めると取り返しのつかない事態を招くこともあるので注意
この他にもビジネスの場では様々なマナーや心得があります。
いざ働き出してから注意されるより、事前に知っておき準備しておくことはとても大切なことです。
ビジネスにとって一番大切なことは「信頼を得る」ことです。
そのためには日頃から身だしなみを整え、品格を高く保ち、人を気遣うことを心がけてみましょう。
働くことへの意識を変えよう
フリーターとして働く方の中には「社畜」や「ブラック企業」という言葉から、正社員として働くことに対してネガティブなイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに劣悪な労働環境の結果、過労死してしまうケース存在することは事実です。
しかし当然ですがすべての企業がそのような環境ではありません。
福利厚生が充実しておりワークライフバランスが実現しやすい「ホワイト企業」という企業もかず多く存在します。不安な方も転職サービスをうまく活用すればブラック企業へ就職することを回避することはできます。
また前述したように正社員となれば、収入面や社会保障の面でも自己負担が減るため生活が楽になる可能性もあります。
もしネガティブなイメージだけで正規雇用として働くことを避けているならば、それはとてももったいないことだと思います。意識ひとつで現状を変えることができるかもしれません。
転職サイトの募集条件「大卒以上」は絶対か?
転職サイトの募集条件に「大卒以上」と設けている企業が存在します。
もしあなたが入社を希望する企業が「大卒以上」と条件を絞っていた場合、条件外だからと諦めるべきなのでしょうか?
「高卒」でもチャンスはあります!
たとえ最終学歴が高卒だったとしても、これまでの経験や仕事に対する熱意が評価され、応募条件を満たしていなくても採用まで繋がるケースは多くあり得ます。
最初から諦めることはありません、ぜひ応募してみましょう!
アルバイト雇用としても業界の経験者だった場合、熱意とともに「これまでどのような経験を積んできたのか」「入社後には今までの経験をどう活かすことができるのか」などを強くアピールすることが大切です。
未経験の場合でも、諦めず挑戦してみることは大切です。たとえ未経験だとしても20代という若さは大きな武器となります。新しいことを覚えていくのは大変なことですが、まだまだ柔軟な20代ならすぐに順応できるはずです。
応募書類は、履歴書だけでなく職務経歴書も作成し、経験や熱意を具体的にまとめることが大切です。ただし、応募資格を満たしていない立場での応募なので、あくまで謙虚な態度で臨みましょう。
20代フリーター就職への道
フリーターから正社員として働くにはどのような道筋があるのか考えてみましょう。
進学を目指す
希望の業界がある場合、「専門学校」などに通ってみるといいかもしれません。
専門学校に入学すれば、
・仕事に必要な資格を取得できる
・専門技術を得られる
・専門的な機器や設備が利用できる
・業界の知識を得られる
・専門学校によって業界で活躍する方から講義を受けることができる
・専門学校によってコネクションを作ることができる
といったメリットがあります。
ただし当然学費を支払わなければいけませんし、通学時間のためアルバイトに入る時間が減ったりとお金に関する問題があるかもしれません。
仮に高額な授業料のために学校後にアルバイトで生計を立てる方法を取っても、いずれ身体が疲弊してしまい授業にも集中できなくなってしまします。
どうしても資格を有する職業に就きたい場合は専門学校への入学をおすすめします。
アルバイトから正社員登用を目指す
アルバイト雇用から正規雇用となる例もあります。
実力主義の業界が狙い目
IT系、飲食系、オフィス系、アパレル販売スタッフなど経歴よりも実践力を重視してくれる業界ならスキルを磨くことにより、正規雇用として迎え入れてくれる可能性もあります。
アルバイトから正社員を目指すなら日々の仕事でも工夫が必要となるでしょう。
まず、社員の方とコミュニケーションをとり仲良くなることが大切です。
特に個人プレーよりもチームワークを重要視している会社の場合には、協調性があり、チームを大切にしながら成果を上げられる人材の存在はとても貴重です。しっかりと挨拶ができることや、モチベーション高く仕事をする姿勢はどのような業種にも求められることです。
日々の勤務を評価してもらおう
また目の前の仕事をきちんと正確にこなしていくことが評価につながります。上司や同僚に対して、「報告」「連絡」「相談」をしっかりと行うことで仕事の効率は上がり、自分自身も仕事内容の理解が深まるでしょう。
このような小さな積み重ねが社内のチームワークをよくすることに繋がります。
アルバイトであってもチームに欠かせない存在となることで正社員登用への可能性は高くなります。
アルバイトから正社員へ登用されるにはいくつか方法があり、社内で行われる正社員登用試験を受けることもひとつの手です。
成長企業である場合、正社員登用試験が定期的に行われている場合があります。企業によっては不定期に行っている所も少なくないので、登用試験の案内が出たら必ずチェックしておきましょう。
アルバイト中の仕事ぶりを見て、社員から直々に「正社員にならないか?」と直に声をかけられることがあります。普段の勤務態度が直接評価に繋がることはよくあります。
アルバイトから正社員に登用されるには、これら2つが主な方法でしょう。
どんなに地味な仕事でも真剣に取り組んでいる姿を見て、評価してくれている人は必ずいます。
簡単に諦めたりせずに、任された仕事に責任を持ち、がんばりましょう。
高卒フリーターでも転職エージェントがおすすめ
転職エージェントでは学歴や職歴を元にキャリアプランを構成するため、フリーターの方が利用しても意味がないと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
確かに転職エージェント次第ではフリーターということで企業紹介ができないと判断してくるものがあるかもしれません。
しかし諦めてはいけません。
フリーター専門の転職エージェントを利用しよう
転職エージェントの中にはフリーターをメインターゲットを絞ったものも存在します。フリーター専門の転職エージェントをうまく利用することで採用に繋がる可能性は高まります。
フリーターをメインターゲットに扱っている転職エージェントの場合、自分以外の登録者の多くも正社員未経験と立場が近いので、求人案件の紹介が回ってきやすいでしょう。
取り扱われている求人案件も人柄や熱意を重視した採用を行う企業がそろっており、企業側もエージェントが推薦する人材ということで一定の信用を持って採用審査してくれます。そのため時間などのコストを大幅にカットすることができるでしょう。
転職エージェントを利用すれば、専任のキャリアコンサルタントがつき、転職サイトなどには掲載されていない非公開求人を紹介してもらうことができますし、履歴書・職務経歴書などの必要書類の書き方や、面接の日程設定から面接の受け方のアドバイスまで転職までの手厚いサポートを受けることができます。
自分自身の経歴に自信を持てない方も専任のキャリアコンサルタントとともに転職活動を行うことであなたの持つ市場価値に気づくことができるでしょう。
転職活動は不安も多く一人では大変ですが、キャリアコンサルタントとともに協力し二人三脚で乗り切れば、きっとあなたの満足いく転職の実現が可能です。
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