製造業、工場に勤務することの将来性!

20代の転職

日本は世界的にも工業大国の一つであり、国内には約42万社の工場が存在します。
現在工場で働いている人、これから工場勤務をしたいと考えている方へ
工場勤務について考えてみましょう。

  1. 工場勤務のメリット・デメリット
  2. 大手と中小の違い
  3. 出世するのはこんな人!転職を考えるなら早めに

工場の仕事の種類

工場勤務といっても仕事内容は様々です。
工場に対して「キツい」「危険」「汚い」といったイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、すべてがそうとは限りません。
最近ではテクノロジーの発達によって人間が担当する部分も少なくなっており昔と比べてもどんどん安全になってきています。
実際工場の仕事にはどのような種類があるのかを知っておきましょう。

ライン作業

工場勤務の求人案件で最も多い募集がライン作業ではないでしょうか。
ベルトコンベアや台車に乗せられて流れてくる作りかけの製品を組み立てていく作業です。
ライン作業と言っても
・ネジを締める
・パーツを組み立てる
・食品を加工する
・検品する
・梱包や箱詰めする

など製造工場によって様々です。
仕事内容は何を作っている工場なのかで想像しやすいかもしれません。

マシンオペレーター

機械を操作して作業する仕事です。
ネジを作っている工場の場合、加工機械にネジの元となる金属をセットしてスタートボタンを押し、加工が完了したら検査・計測をして異常がなければ次の工程に回すという流れになります。
基本的に機械の使用にはマニュアルを完備しているので、未経験者でもある程度の実技講義を受ければ使用が可能でしょう。

検査

製品に異常・不具合がないかを検査する仕事です。
「目視」による確認の場合もあれば、「顕微鏡」や「マイクロメーター」などの器具を使って細部まで検査する場合もあり、工場が何を製造しているかによって検査の厳しさは異なってきます。
ライン作業の場合はベルコンベアから流れてくる製品の状態を瞬時に判断しなくてはならないので、高い集中力が求められるでしょう。その場合人間の集中力には限界があるので、ローテーションを組んで適度に休憩を挟みながら交代で作業を行うことが多いでしょう。

ピッキング

伝票に記された部品や材料を倉庫から取り出してくる作業です。
倉庫の規模によってはフォークリフトの運転免許が必要となる場合もあります。
 
 
 
この他にも工場によって様々な仕事内容があります。
工場の多くは「工場見学」を実施していることもあるので興味のある方は参加して直で生産現場を体験してみることもおすすめします。

工場勤務のメリット

時間通りに働ける

ライン工場の場合、実働時間がしっかり管理されています。
ライン生産を行うような大きな工場の場合、生産の繁忙時期などで実働時間を延長しなければならない事態でもきちんと残業代を支払われるでしょう。
ライフワークバランスを優先したい方におすすめです。

黙々と作業に集中できる

営業職や販売職などをはじめビジネスには基本高いコミュニケーション能力が求めらめます。対お客様だけに限らず、社内でも上司や部下、同僚などと連携するため日常的にコミュニケーションは必要となります。
しかしライン工場などに勤務の場合は、決められた作業をこなしていくので必要以上の対話はしなくても良いでしょう。黙々と作業に集中したい方にはおすすめです。
ただし“全く話さなくても良い”ということは難しいでしょう。

学歴が不要で入社しやすい

工場勤務は一般的なビジネスワークと比較し、学歴をそこまで重視せず入社のハードルが低い傾向があります。
実際中卒や高卒の方でも活躍されています。
工場の仕事は専門の機械を使う場合でもマニュアル化がされており未経験者でも徐々に覚えていくことができます。工場によっては重いものを運んだりと重労働を強いられる場合もあるので、物覚えが早く体力もある若い世代の需要はかなり高いでしょう。
大手企業の製造工場も工場勤務の従業員を大量に募集しているので若くして有名企業で働けるチャンスもあります。大手企業で働けると、高額給与や高い社会的信用を得ることも可能でしょう。

工場勤務のデメリット

体力的にキツい

ライン作業の場合、基本的に立ち作業であることが多いので何気に体力を使います。
また製品の運搬など重いものを持たなければならないこともあるのである程度の体力が必要となるでしょう。

作業に飽きやすい

人によって差はありますが、工場の仕事は淡々と作業をこなすものが多いので慣れてしまえば単調となり飽きやすくなるようです。
仕事によっては生産効率を上げるために基本的に同じ作業を繰り返すかたちとなります。
ライン作業の場合は機械の動きに合わせて作業をしなければならないので、自分の判断で手を休めることはできません。延々と同じ作業を繰り返すことに苦手意識を持つ方には向いていないかもしれません。

昇給しにくい

工場勤務の場合、営業職や開発職など成果によるは評価の反映がしやすい仕事と異なり、成果による評価が難しいため昇給や出世がなかなかしにくいという点があります。
厚生労働省が発表した「平成28年度賃金構造基本統計調査」によると、
男性の平均賃金は
20歳〜24歳時点:約19万8,000円
最も賃金が高くなる
50歳〜54歳時点:約32万7,000円
女性の場合はさらに厳しく
20歳〜24歳時点:約17万5,000円
最も賃金が高くなる
40歳〜44歳時点:約19万4,000円
までしか上がっていません。
これらのデータを見てみると、女性の昇給額が非常に低いことも問題ですが男性でもそれほど高いとはいえません。

大手と中小企業では違う?

同じ製造工場でも大手企業と中小企業では労働観環境にも違いがあります。

収入面

大企業勤務の男性:平均月収約38.8万円
大企業勤務の女性:平均月収約26.8万円
中企業勤務の男性:平均月収約32.0万円
中企業勤務の女性:平均月収約24.0万円
小企業勤務の男性:平均月収約28.9万円
小企業勤務の女性:平均月収約21.6万円

というように企業規模が小さくなればなるほど平均給与は減少する傾向にあります。

大手企業の製造工場の強み

基本給が高い

大手企業の場合、中小企業と比べて業績が安定しているので基本給が高く配当できます。
また大手は工場自体の規模が大きくより多くの人材を確保したいので給料を高く設定している傾向ようです。

手当が多い
・入社祝い金
・寮費慰労金
・正社員登用あり
・社宅の完備
・食事補助

など多くの手当があります。

中小企業の製造工場の強み

高い技術力があれば世界と取引できる

中小企業の場合、大手のように大資本による大量生産はできませんが、技術力の追求によって高品質の製品を生産できます。高い技術力が認められれば世界的企業と契約することもできます。現にロケットの部品を作っている中小企業も存在します。
工場の規模が小さくても確実なフォロワーがついた会社なら大手企業に遜色ないほど収入が高くなるでしょう。

工場勤務で出世するには

工場勤務で出世するためにはどうしたらよいのでしょうか。
営業職のような成果主義の場合には、優秀な成績を修めると評価に反映されるため努力することができますが、年功序列や学歴を優先する工場では何もしないままだと自分の順番が来るまで昇進できません。
そのような問題を解決するためには、自分の評価を上げる努力をする必要があります。

資格を取得する

日々を勤勉に働くということはもちろんですが、仕事の幅を広げたり質を上げるために「資格」を取得することもひとつの手です。

安全管理者

「安全管理者」は、工場の設備や作業場所、作業方法に危険性がないかをチェックし、安全を確保する仕事です。
安全のための器具の定期点検、安全に作業するための教育や訓練、災害が発生した場合の原因の究明と対応策の検討、消防・避難訓練の実施、安全に関する監督業務、安全に関する情報の収集や資料の作成などを行う義務があります。
また工場などの危険物が多いところでの業務において従業員を安全に働かせることが使命となります。特に多くの従業員が働く工場では、安全管理のための従業員一人ひとりに対する安全教育などを行い、事故の未然防止活動を行います。ある程度の人数の従業員が働く工場でその資格を最大限に活かすことができます。

【取得条件】
受験資格に合格
大学・高等専門学校の理科系などの専門課程を修了、安全に関わる実務経験が2年以上必要
高校で理科系などの専門課程を修了、安全に関わる実務経験が4年以上必要
衛生管理者

「安全衛生資格」は「労働安全衛生法」と深い繋がりがある資格です。
資格取得者が担当する内容は、労働条件や労働環境を衛生的な面で改善し、病気の予防の処置などを行います。
工場などの事業場の衛生全般の管理者であり、事業場の衛生管理を医療関係者だけで行うのは限界があるため、各職場に衛生に関する指導員が必要だと判断され生まれたのがこの資格です。
衛生管理免許にはいつくかの種類があり、レベルが高い順で並べるならば、
・衛生工学衛生管理者
・第一種衛生管理者
・第二種衛生管理者
となっています。
内容は、伝染病対策、職業性疾患への取り組み、女子労働基準規則の制定、喫煙対策過重労働による健康障害防止など時代とともに対象範囲も広がってきています。

【取得条件】
受験資格に合格
大学、短大、高専卒の場合:実務経験1年以上必要
高卒:実務経験3年以上必要
その他学歴:実務経験10年以上必要
特定化学物質等作業主任者

「特定化学物質等作業主任者」とは、特定化学物質などを扱う工場などで作業者たちが特定化学物質に汚染されないように、作業方法の指導や作業環境の改善を行うことが役割です。「特定化学物質等作業主任者」は、特定化学物質および四アルキル鉛等作業主任技能講習を修了した人の中から事業者により選任されます。
特定化学物質や四アルキルを製造したり扱ったりする工場などでは、この資格を持っている人を設置することを義務づけられているので、重宝される人材となるでしょう。
化学物質を扱う作業者の指導的立場となり、局所排気措置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置などの点検や使用状況についての管理を担当します。
講習を受けるのみで取れる資格です。比較的取得しやすいのでおすすめします。

【取得条件】
「公益社団法人東京労働基準協会連合会」による各講習を受講、試験に合格

 
この他にも多種多様な資格が存在します。
資格を取得することで評価が上がり昇給に繋がる可能性は十分にあります。

マネジメントスキルを高める

またチームを組んで働くような工場の場合、マネジメントスキルを上げるといいかもしれません。時間やリスクの管理を行ったり率先してメンバーをまとめ上げたりすれば、いずれチームを任される立場となり相応のポジションに就くことができるかもしれません。
 
 
ここまで述べてきたように、工場勤務では昇給や出世をすることは難しいかもしれませんが、全くできないというわけでもありません。
工場によって出世するための方法は異なるので、まずは自分が働くあるいは働きたい工場にとって最適の方法を考えてみましょう。

転職を考えるなら早めに

前述したように工場勤務の場合、昇給が難しいという欠点があります。
もしもっと年収を上げたいと考えているならば転職してしまうこともひとつの手でしょう。
また最近では大手企業も経営不振に陥ったり業績悪化によって倒産してしまうご時世です。
大手企業の製造工場で働いているから一生安泰とも言えなくなってしまいました。
社会の動向にも目を向け、自分の働く会社はどのような立ち位置であるかを見極めなくてはいけません。