20代 地元愛だけでUターンして大丈夫?地元転職の厳しさと注意点

20代の転職

そろそろ田舎へ帰って働きたいと考えている20代の方両親や、旧友がいる田舎での暮らしってストレスが少ないイメージがありますよね!?

そんなUターン転職をお考えの20代の方にむけて

  1. 「Uターン転職を希望する理由」と「Uターン転職への不安」
  2. Uターン転職のメリット・デメリット
  3. Uターン転職に必要な手続き

をご紹介していきます!

「両親のそばで暮らしたい」「結婚や子育ては地元でしたい」「都会であくせく働く毎日に疲れ、自分に合ったライフスタイルを確立したい」「何よりも地元が好き!」など様々な思いがあると思いますが、実際地方で暮らしていると地方での転職活動や、田舎で暮らし子育てをしていくことにはデメリットも少なくないと感じます。。そこをきちんと知った上で自分が目指す将来の暮らしをできるだけ細かく想像し、そのためにはどんな場所でどんな仕事をするのが良いのか、様々な想定をした上で決断して頂きたいと思います!

20代のUターン者は減少傾向にある

「第8回 社会保障・人口問題基本調査第8回人口移動調査」(2016年)によると、15歳〜29歳の人のうちUターン者は11.8%、だいたい10人に1人が出生都道府県から県外に移動したのち、再び出生都道府県に戻ることを選択しているという結果になります。ちなみに、第7回の調査は2011年に行われており、その時には14.4%だったため、減少していることがわかります。

Uターン転職に対する希望と不安

私の周りにも、大学や専門学校卒業後すぐに地元で就職する人や、2〜3年県外で働き20代半ばで地元に帰ってくる人など様々でしたが「帰りたいけど帰れない」と思っている人も多数います
大手人材派遣会社マイナビ転職が2016年にUターン転職を視野に入れいている20歳〜39歳の男女に調査を行った「Uターン転職に関する実態調査」が公開されていました。その中で20代の転職希望者が「Uターン転職を希望する理由」と「Uターン転職への不安」をみていきたいと思います。

Uターン転職を希望する理由

【第1位】
自分にあった生活スタイルや趣味を活かした生活がしたいから(30.7%)

【第2位】
地元の方が経済的に楽だから(23.3%)

【第3位】
通勤が楽になるから(23.3%)

その他「地元の方が生活環境が充実するから (20.7%)」「地元は自然環境が豊かだから (20.7%)」と続きます。このアンケートを見ると、20代ではまだ両親が元気で暮らしていることが多く、誰かのために、というよりは自分のために地元転職を望んでいることがわかります。

では上記のような希望があるのに、Uターン転職に踏み切れない理由は何なのでしょうか?そこには地方の求人数の少なさや待遇面への不安があるようです。

Uターン転職の不安

【第1位】
給料が下がる (31.3%)

【第2位】
仕事に就けるか心配(30.3%)

【第3位】
新たに人間関係を構築するのが大変(24.0%)

その他「生活の利便性が悪くなる(22.7%)」「求人数が少ない(20.7%)」と続きます。実際、この不安が的中してしまうことは少なくないと思います。

例えば市役所等公務員を目指すパターン、看護師免許や介護関連の免許を活かしてのUターンであれば比較的転職先を見つけやすいことが多いです。ただ、難しいのが「一般企業」への転職活動。実際、Uターン転職をした人の中で困っているのは下記のようなことです。

実際感じる地方転職のデメリット

そもそも求人数が少ない

Uターン転職のデメリットとして考えられるのが、都会に比べ選択できる職種などが限られてしまうことです。地方は都会と比べ企業の絶対数が少ないため求人の幅も狭くなってしまいます。そのため自分の希望している職種が必ずしも地方にあるとは限りません。特に専門的な職種は、地元での就職は難しいでしょう。

年収の低下

就職先はあるけれど年収が下がってしまう場合もあり得ます。医療業界や国家公務員など例外もありますが、平均的に都会から地方へUターン転職を行うと年収が下がる傾向にあります。Uターン転職の際はある程度の年収の落ち込みを覚悟しなければいけません。

このように「そもそも転職先があるのか」「転職後の待遇面は大丈夫だろうか」という不安があるなか、次いでネックになるのが田舎・地方の「利便性」の問題です。

利便性が悪い

公共の交通機関など生活の利便性が悪いことも大きな問題になってくるでしょう。例えば公共の鉄道の場合、都会では数分置きに到着発車していたのが、地方では1時間に1本のペースということは珍しくありません。そのため地方では車を所持していないと移動が難しく、交通機関が整った場所であれば不要だった自動車の購入、維持が必要となります。

また、買い物一つとっても、地方であれば場所は限られてきますし、医療や教育の機関も、当然都会で暮らした方が選択肢が増えることは間違いありません。今は独身でその点さえ楽しめたとしても、将来地方で結婚、子育てをするとなったときまで考えると、なかなか踏み出せない20代も多いようです。

地域のつながりが強すぎる

また、田舎で暮らす若者の不満も声として案外多いのが地域のつながり。これは、人によってメリットにもデメリットにもなり得る難しい部分です。中には都会にはない濃密な近所付き合いに疲れてしまう声も少なくありません。例えば今どこで働いているとか、結婚したとかしていないとか、子どもができたとか、田舎であればすぐに情報が拡散します。「なんでこの人が知ってるの?汗」ということも…また男性であれば地域の消防団に「入って当たり前」と勧誘され、しぶしぶ入団することもよく見られます。

この地域のつながりや活動を否定するわけではないですし、もちろん大切なものです。誰かがしなければならない活動を、そこに住む住人同士でで助け合い、分担し合って行うことができないのなら、そもそもUターン転職はおすすめしません。

ただ、都会とのギャップを感じる人が少なくないことも事実。郷に入れば郷に従えと言いますが、田舎に合わせすぎるのも考えもの。どこにいても自分のライフスタイルを貫く自信がある方は問題ないですが、周りの人に流されやすい人にとっては、田舎でゆっくり暮らすつもりが、結局地域活動で予想以上に時間を取られる…という本末転倒なことになりかねません。

ここまで地方で働くことの厳しさをみてきましたが、もちろん悪いことばかりではありません!

実際感じる地方転職のメリット

子育てのフォローに恵まれる

女性の場合、両親のもとで生活する点はメリットにあげられるのではないでしょうか。特に子育てをされているなら両親の存在は非常に助かります。子育ては大変なのでフォローしてもらえる環境があるだけで女性は安心できます。両親が子どもの面倒を見てくれるので、日中は外に働きに出ることも可能です。都会では保育園の待機児童問題などがよくメディアでも取り上げられますが地方でそのようなことはまず起きないでしょう。

生活費を抑えられる

ライフスタイル次第では都会と比べ生活費が安く抑えられます。都会や隣接する郊外に住んでいると、住宅費などの生活費が地方に比べ割高になってしまいがちです。しかし、Uターン転職によって地元で働くとなると、地方の方が家賃も抑えられますし、両親と同居することで生活費をさらに安く抑えることもできます。農業を兼業すれば食費も浮かすことができます。野菜やお米を近所や両親からもらえる、という場合もあります!生活費という面でも、Uターン転職をするメリットはあるのです。

地元に恩返し

自分の生まれ育った地元に帰省し就職することによって、地元に貢献できる機会が増えるということは大きなメリットです。自分の生まれ育った地域に地元愛を持ち、社会に貢献することができる点では、都会よりも地元企業で働くの方が、それをより肌で実感することができるはずです。企業の中には地元の経済活性化のために力を入れていたり、地域に密着している企業も少なくありません。

Uターンするために必要なこと

地元に帰省する際、住民票の変更など行政手続きを行わなければなりません。

住民票の住所変更

たまにしか市役所や区役所に足を運ばないので、この手の手続きがとても面倒に思いますが、役所の引っ越しの手続きは結構シンプルです。各市町村役場によって異なりますが、土曜日でも手続きができるので場合もあるので、早めに終わらせましょう。
「転出届」から「転入届」の手続きは次と通りです。

【転出する役所・役場での手続き】
1.転出届を提出する(転出の14日前~
2.転出証明書を受け取る
【転入する役所・役場での手続き】
3.転入届と転出証明書を提出する(転入から14日以内

※どちらも本人確認書類(運転免許証や保険証など)印鑑が必要になります。
※「転入届」の手続きでは「転出届」の際に受け取った「転出証明証」が必要になります。

自治体によるU・I・Jターン支援

各地方自治体によってU・I・Jターン向けの支援施策を行なっています。
・住居の確保
・子育て支援
・引越し費用の負担

など、自治体ごとに様々な支援施策があります。
自治体によっては、住居自体を無償で提供していたり、Uターン者のために優遇したりする制度もあるので地元の支援施策を調べてみましょう。

Uターンのための転職活動

Uターン転職を行う場合、転職先を決めてから帰省する場合、帰省してから転職先を探す場合などが様々なケースがあります。Uターン転職の手段として5つパターンを紹介します。

地方自治体のサポート情報から探す

各自治体ではUターン転職をサポートする情報を発信しています。都道府県ごとのWebサイトからUターン支援制度の説明や求人を調べることができます。都会に事務所を持っている自治体も多くあるので、直接ヒアリングをしてみればタイムリーで具体的な情報が得られるかもしれません。また、定期的にU・I・Jターン希望者のための「転職フェア」や「説明会」も行われています。その地方の企業と直接面会できるので参加してみるのをおすすめします。

転職サイトにから探す

全国の求人を扱っている転職サイトやその地方に特化した転職サイトを利用して求人情報を探すことができます。Uターン先の地域にはどのような求人募集が出ているのかどんな企業があるのかをリサーチしてみましょう。複数の転職サイトを利用すると情報の幅が広がります。
地方は都会と比べ求人数が少ないため希望する企業が求人を出すのを待つならチャンスを逃さないよう、継続してチェックする必要があります。

転職エージェントから探す

転職エージェントを利用する場合、Uターン先の地域に拠点を持っているかを確認しておかなければいけません。大手であってもその地域には拠点がなければサービスの対象外という場合がありますからです。逆に転職エージェントの中にはUターン転職に特化したサービスを行っているものもあります。専門的なアドバイスを受けUターン転職を成功させましょう。また、ある程度大きな規模の都市であれば、その地域だけでサービス展開している転職エージェントも存在します。地域の環境や生活の生の情報が得られます。

ハローワークから探す

ハローワークのサイトから求人を検索することができます。業種・職種にこだわらないのであれば幅広い求人情報を得ることができます。ただし、ハローワークに求人を出している企業は中小企業が多く、地方では第一次産業農業・第二次産業の求人が圧倒的に多い特徴があります。それ以外の業種・職種を希望するなら、転職サイトなど他の手段と併用することがおすすめです。

コネクションから探す

地元は人間関係が濃厚なため直接求人の声をかけられる場合もあります。本人の人脈だけでなく、両親や祖父母、親戚、友人など様々な繋がりが転職のチャンスになり得ます。人伝の紹介だと企業の情報もダイレクトに入るため内部状況も把握しやすいでしょう。ただし、人間関係を重視して安易に入社を決めてしまうのは危険です。しっかりと自分で会社まで足を運び自分の目で会社を見極め、自分が働くのに適しているかを判断しなければけません。

Uターン転職の現実はなかなか厳しいようです。良い企業は離職率も低く、定員に空きが出ない、募集しているのはいつも決まった会社ばかり…そんな声もよく聞かれます。しかし最近ではインターネットの普及やインフラ設備の充実により都会でなくてもできる仕事も増え、IT産業なども地方に会社を構えるケースが増えてきました。そのような会社を見つけて転職し、将来地元へ帰ることを目指すのも一つの方法ですね!

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